そんな事を思いながら、ドアを開けた。


「あ……あれ?」


部屋に入ると高広は、私のベッドの上で、大の字になって寝ていたのだ。


これじゃあ……いつもの高広と同じじゃない!


ヒントを得て、余裕が生まれた私でも、ここまで図太く、人のベッドで寝るなんてできない。


ましてや、異性のベッドで寝るなんて。


「高広! なんで寝てるのよ!」


その図太さに腹が立って……私はその頭を叩いた。


「うおっ!! 何だ?って……明日香じゃん。まだ時間じゃねぇんだろ? だったら寝かせろよ」


「それ、私のベッドなんだけど!! てか、勝手に寝ないでよね!」


図太いのも、ここまで来ると立派としか言いようがない。


「うるせぇな……わかったよ! 起きればいいんだろ」


そこまで言って、ようやく起き上がった高広。


「で? 今日はどういう作戦で行くの? 『カラダ探し』」


翔太があれじゃあ……作戦なんてとても立てられないだろうけど。


私がたずねると、高広は当たり前のように答えた。


「そんなの、翔太に『赤い人』を引き付けさせてる間に探せばいいだろ」


翔太が囮になっている間に、私達がカラダを探すって事?