「でもよ、それっておかしくねぇか? 教室とか金庫とか、いつもなら鍵がかかっている所は開いたのにさ、そこだけ鍵がかかってたから、俺はおかしいと思ったんだよ」


高広の言う通り、どの教室にも鍵はかかっていなかった。


まだ全部の教室を見たわけじゃないけれど、その話が本当なら、大きなヒントになるはず。


「つまり、『カラダ』が隠してある場所には、鍵がかかってるって事?」


「まあ、全部がそうだとは限らねぇけどな」


それに気づいたから、今日の高広と留美子は、どこか余裕があるように見えたのか。


そう考えると、何だか私も少し気が楽になった。


その後、結局0時には学校に呼び寄せられるという事で、私は高広を家に呼んだ。


聞けば高広の両親は、今日はふたりとも夜勤だから家にはいないらしい。


どうせ家に帰っても、0時には学校で寝ているのだから、私が付いていても問題はないはずだ。


でも、当の高広はと言うと……落ち着かないのか、私の部屋でそわそわしている。


「何緊張してるのよ。昔は、よく遊びに来てたじゃない」


ベッドに腰かけて、床に座っている高広に缶ジュースを渡した。


「お前……昔って、小学生の頃の話だろ」