「皆は気づいてないかもしれないけど、授業中に遥を見ると……身体は前を向いてるのに。頭だけが回って、私を見るんだよ」
誰も気づかなかったという様子で顔を見合わせる。
それはそうだろう。同じ日が何度も繰り返されているのだから、授業もまともに受けているはずがない。
それに、遥の髪を分けて見ていたあの目……その事は、何だか怖くて言えなかった。
結局、遥を殺そうとまでした翔太は許してもらえずに、私達は学校を後にした。
「昨日」みたいに、渡り廊下から遥に見られていたら怖いから……私は振り返らずに校門を出た。
途中で理恵達と別れて、家が近い高広と一緒に歩いて帰る。
「ねぇ高広、遥の右腕ってどこにあったの? 校長室の中だって言ってたけど」
私の少し前を歩く高広に、そんな疑問をぶつけてみる。
まさか、飾ってあるトロフィーと一緒に置かれていたとは思えない。
「右腕か? あれは、校長の机の中にあったんだ。鍵のかかった引き出しの中にな」
「鍵がかかってたんだ……高広は、それを壊したんでしょ?」
私がたずねると、「壊して悪いか」という様子で、悪びれもせずに私を見た。
誰も気づかなかったという様子で顔を見合わせる。
それはそうだろう。同じ日が何度も繰り返されているのだから、授業もまともに受けているはずがない。
それに、遥の髪を分けて見ていたあの目……その事は、何だか怖くて言えなかった。
結局、遥を殺そうとまでした翔太は許してもらえずに、私達は学校を後にした。
「昨日」みたいに、渡り廊下から遥に見られていたら怖いから……私は振り返らずに校門を出た。
途中で理恵達と別れて、家が近い高広と一緒に歩いて帰る。
「ねぇ高広、遥の右腕ってどこにあったの? 校長室の中だって言ってたけど」
私の少し前を歩く高広に、そんな疑問をぶつけてみる。
まさか、飾ってあるトロフィーと一緒に置かれていたとは思えない。
「右腕か? あれは、校長の机の中にあったんだ。鍵のかかった引き出しの中にな」
「鍵がかかってたんだ……高広は、それを壊したんでしょ?」
私がたずねると、「壊して悪いか」という様子で、悪びれもせずに私を見た。