そうすれば私の事を思い出す?


「そんなの、また誰かが悲しむだけじゃない……」


「あんた、あんな事されて、まだそんな事言ってんの? バカじゃない? 留美子でも理恵でも入れればいいじゃん」


「できるわけないでしょ! 私の……友達なのに」


私がそう言うと、遥は呆れたような表情を浮かべて、その場に立ち上がった。


「あんた、ホントにバカだね。じゃあ、そんな明日香に良い事を教えてあげる。『カラダ探し』のルールの、校門から出るまで振り返ってはいけないってやつ、出られない人には関係ないから。あれは普通の生徒がしてはいけない事。それから、棺桶に入るのは、別に誰でも良かったんだよ。それが私でもね」


だから遥はあの時、私を押して、棺桶に入れたんだ。


あの時、「カラダ探し」をした事があるって知られたくなかったから。


「それと……高広と今日、デートなんだ。明日香の事を忘れてるなら、もらってもいいよね?」






え? 


なんで……なんでそうなるの!?






嫌だ、高広が私の事を忘れていても、それだけは嫌。


「お願い……それだけはやめてよ……高広は、私の……」


「あんたの何? だから、忘れてるって言ってんじゃん。じゃあね、まあ、頑張ってよ」