笑顔で話す遥に、怒る気力もない。


怒っても、皆が私を思い出してくれるわけでもないし、叩いたり殴ったりしても、また理恵や留美子に仕返しをされるだけ。


大好きな友達に、そんな事をされたくない。


「私はね、一年近く『カラダ探し』をさせられたの、だから、目が覚めた時は私の友達は皆卒業していたの。良かったよ、あんた達を選んで。たった十一日で終わらせてくれたんだからさ。だから、友達に頼まなかった理由は嘘、『カラダ探し』が終わった後、どうなるか知らないなんて言うのも嘘。明日香、学校から出られなくなったでしょ？」


もう、そんな事は知ってる。


でも、私しか生き残らなかった状況で、他の誰かが棺桶に入る事なんてできないじゃない。


遥も「カラダ探し」をさせられていたんだろうなっていう事もわかってた。


こうなる事は、決められていたんだ。


そう思うしかなかった。


「怒る気も起きないんでしょ？　わかるよ、私もそうだったもん。明日香と同じ、ひとりぼっちだったからね。あ、でも安心して良いよ。誰かに『カラダ探し』を頼めばいいのよ。そうすれば、また誰かを棺桶に入れれば明日香の事を思い出すから。まあ、作られた記憶だけどね」


誰かに「カラダ探し」をさせる？