でも……手を空に向けているのも辛くて、私はすぐに手を下ろす。


昼食を食べ終わった生徒達の話し声が聞こえる……。


図書室の上の広場で、輪になって食べている人達もいるだろうな。


「カラダ探し」が始まってからは、よく皆と一緒に、ご飯を食べたな。


特に留美子と理恵は、いつも一緒にいたのに、今ではもう、私をおかしな人としか見ていない。


もう一度……あの時に戻れたらな。


そう思っていた時だった。







「アハハ……何それ! 留美子、あんたバカじゃないの?」


屋上の入り口の方から聞こえたその声が、私の耳に届いた。


「バカって何? 遥が、わけわかんないやつに殴られたってあんたが言ったから、私が見つけて代わりに殴ってやるって言ってんの」


その会話は、留美子と、違うクラスの友達がしているものだという事がわかった。


もしかして、私を探してるの?


「だってさ、あんたのクラスの……誰だっけ? あの子が代わりにやってたけど? それに、あんた、そんなキャラだった?」


「キャラなんて知らないっての! なんかムカつくじゃん、友達を殴るなんてさ!」