「彼女が、もうひとりの生き残り……今村千春。僕の恋人だった人だ。僕が卒業した6年後に、学校を卒業した事になっていたんだ」


先生は頑張って話をしてくれているけど……正直良くわからない。


確かに、今村千春という人は、他の生徒と比べると老けているというか、妙に大人びている。


「なぜ6年後なのか、それがわからなくてね。森崎さんは11日で終わったと言っていたね？　じゃあ、『カラダ探し』をしたのは何月何日だった？」


予想通り、私があまり理解できていないまま話は進んで行く。


もっと優しく説明してくれてもいいのに。


「11月9日です。でも、昨日の事なんだから、聞かなくてもわかるんじゃないですか？」


私の問いに、先生はうなずき、携帯電話を取り出してそれを開いた。


そして、私にその画面を見せたのだ。


八代先生に見せられた携帯電話の画面。


そこに表示されていたのは「11/20」の文字だった。


「えっ！　なんで!?　11月10日じゃないの!?」


昨夜「カラダ探し」が終わって、目が覚めたら朝だった。


それだけ日が経ってるのに、玄関前のホールなんて目立つ所で、誰にも起こされないはずがない。


「やっぱりね。森崎さん、キミはあの棺桶に入ったんだね？　僕は言わなかったかな？　最後のひとつを納める時は、誰も死んでいない時に納めるようにって」