「はい、それは見ました。先生が別人みたいになってました」


私はその言葉に、抱いていた疑問を乗せてみた。


それを聞いて、先生がどんな反応を示すか。


「そうだね。でも、これは間違いなく僕で、『カラダ探し』をさせられた皆の中で、僕だけが年を取ってしまったんだ」


だからどういう事なのだろう。


いつもは、翔太が話を後で解説してくれていたけど、今日は頼れない。


私が理解するしかないのだ。


「えっと……どうして先生だけが年を取ったんですか?」


わからない事は聞かないと、話が進んでしまう。


そうなったら、後で整理するなんて、私にはできないから。


「それはね、最後のカラダを棺桶に納める時に、皆が死んでいたからなんだよ。生き残ったのはふたりだけだったんだ」


皆死んだ……つまり、その人達も「消去」されたって事で、ふたりだけはそれが行われなかったという事になる。


「皆、消去されてしまったんですね。あれ? でも、先生だけが年を取ったって……もうひとりはどうなったんですか?」


そうたずねると、先生はもう一冊のアルバムを取り出して、ページをめくった。


そして、ひとりの女子生徒を指差したのだ。