その質問に、何の意味があるのかわからなかったけれど、色んな事を思い出しながら、日を指折り数えてみる。


「えっと……11日で、全部そろいました」


「じゅ……11日!? そんなに早く終わらせたのか!?」


驚いた様子で声を上げ、私を見つめる八代先生。


そして、しばらく何かを考える素振りを見せた後、先生の席の後ろにある棚から、本を二冊取り出してデスクの上に置いた。


二冊の本だと思った物はこの学校の卒業アルバムで、その内の一冊は見覚えがある。


八代先生が家で見せてくれた事がある、あのアルバム。


図書室で見た時は、「小野山美子」という名前を探していたから、男子はスルーしたけど、それに間違いはない。


「さて、小難しい話をするつもりはない。僕もわからなかった答えを、キミと一緒に解いて行こうか。えーっと、名前を聞いてなかったよね?」


「え? あぁ……森崎明日香です」


先生もわからなかった答え?


その時点ですでに小難しい話になりそうな気がするけど、そんな事よりも、私の名前を聞いてくれた事がうれしかった。


「それじゃあ森崎さん、僕が話をする時に、このアルバムは見せたかな? これが僕なんだけど」


卒業アルバムをめくり、自分の写真を指差す八代先生。