先生だから当然の対応かもしれないけど、私にはそれがうれしかった。


「先生にききたい事があって来ました。『カラダ探し』を終わらせた後の話を教えてください」


八代先生が、なぜ「カラダ探し」の記憶を持っているのか……もしかすると先生も、遥みたいに誰かを犠牲にして生き返った人かもしれないと思っていた。


「『カラダ探し』を終わらせた……後の話? どういう事かな、詳しく話を聞こうか」


眉がピクリと動いたけれど、落ち着いた様子で私を見つめる八代先生。


良かった、先生は「昨日」の中で会っていた時と変わらない。


「『カラダ探し』を終わらせました。でも、皆私の事を忘れてしまったみたいなんです……一緒にカラダを探した友達も……クラスメイトも……」


声に出すと、また少し悲しくなって、言葉が詰まる。


今にも泣き出してしまいそうな私を見て、気遣ってくれたのだろう。


椅子を用意して、それに座らせてくれた。


「うーん……良くわからないな。キミは僕の事を知ってるんだよね? じゃあ、僕が5年かかってカラダを探したって事も、知っているね?」


先生の言葉に、私はうなずいた。


「キミはどれくらいかかったんだい? まだ、他の生徒と変わらないくらいの年齢に見えるけど」