何がどうなってるの?


「ご、ごめん……」


ふたりが言っている事に、嘘も冗談もない。


そう感じ取れたから、私は謝る事しかできなかった。


もしも、翔太にも、健司にも忘れられていたら、私はどうすればいいの?


いや、それよりも……高広にも忘れられているかと思うと、たまらなく胸が苦しくなった。






その後、翔太にも、健司にも同じ質問をしたけど、やっぱりふたりとも私の事を忘れていた。


留美子と理恵がそうだったのだから、覚えてないとは思ったけど……。


今からでも良い、「冗談だよ」って言ってほしい。


その4人だけじゃなく、クラスメイトも私の事を覚えてなくて。


「昨日」までは確かにあった私の机。


今は何もないその場所で、泣く事しかできずに、ただ立ち尽くしていた。


机と一緒に、私の存在まで消されたようで、涙が止まらない。


クラスの皆も、そんな私に気づき始めて、怪訝な表情を向ける。


どんな風に思われたって構わない。


私の席はここにあったし、私はここにいる。


それなのに、どうして私だけが忘れられてるの?