携帯電話のバッテリーも切れてるし、連絡が取れないんだ。


そんな事を考えていた時だった。







「てかさ、あんた誰よ? 気安く呼び捨てにしないでくれる?」








その言葉に、私は笑顔のまま固まってしまった。


「え……何言ってるの? 皆で『カラダ探し』したでしょ?」


「『カラダ探し』? あんた、あんな怪談話を信じてんの? 頭おかしいんじゃない?」


留美子はそう言うと、私を押しのけて、教室を出ていった。


何がどうなってるの?


その背中を見つめて考えるけど、わけがわからない。


「カラダ探し」の事を忘れているの?


それに、私の事も……。


冗談だよね? そうに決まってる。


私は、祈るような気持ちで理恵の所に向かった。


友達と話をしている間に割って入り、涙があふれそうになるのを抑えながら、理恵にたずねる。


「留美子が『カラダ探し』の事を忘れてるみたいなの。理恵は覚えてるよね?」


急に目の前に現れた私を、困惑したような表情で見つめる理恵。


「あなた誰? ごめんね、私は怖い話は苦手なんだ。驚かすのはやめてほしいな」