私はあれからどうなったのだろう。


暗い闇の中に落ちていくような感覚に包まれて、遥達が見下ろす中、棺桶の中で眠ったところまでは覚えている。


遥の言う通り、「カラダ探し」が終わったのだろうか?


もしもそうだとしたら、消去された皆は、学校に行ってもいないんだろうな。


怖がりだけど、普段は明るくて穏やかな親友の理恵。


騒がしかったけど、優しいところもあった、気分屋の留美子。


無口で何を考えてるかわからなかったけど、最後まで山岡泰蔵と戦った健司。


誰よりも頭が良くて、プライドが高かった翔太。


そして……私をいつも守ってくれて、毎朝迎えにきてくれていた、大好きな高広。


全員消去されてしまった世界で、見知らぬ遥が生き返っているはず。


でも、八代先生が言っていたように、頼みに来たのが誰だかわからないなんて事はない。


私はしっかりと遥の事を覚えている。


つまり、八代先生は嘘をついたと言う事だ。


それに、遥の最後の行動も良くわからない。


嘘をついていないのなら、話してくれれば良かったのに。


そんな事を考えながら、緩やかに眠りから覚めた私は、いつもの部屋とは違う高い天井に戸惑いを覚えながら辺りを見回した。