「次に? なんだっけ……あぁ、私の事ね。私も明日香を知らないから。高校なんてそんなものじゃない? 顔は知ってるけど名前は知らない、名前は聞いた事があるけど、顔は見た事がない。両方知らない人がいても、おかしくないでしょ?」


「そ、それはそうだけど……だったら、どうして顔も名前も知らない私達に『カラダ探し』を頼んだの!?」


納得なんてできるはずがなかった。


もっと信用できる友達もいるだろうに。


「何言ってるの? 知らないから頼んだに決まってるでしょ。友達に、『カラダ探し』なんてさせたいと思う?」


私の質問に、平然とそう答えた遥。


自分の友達に「カラダ探し」をさせたくないから、私達に頼んだのだ。


でも、私がききたいのはそこじゃない。


「そうかもしれないけど……私達の中に、遥の記憶にすり込まれてて、同じクラスにいたのはどうして!? それが知りたいの!」


そうたずねると、遥はあからさまに面倒臭そうな表情を私に向けた。


私じゃあ理解できないかもしれない。


それでも、せめて理由くらいは聞いておきたかった。


もしかすると、その質問に対する答えを、遥は持っていないのかもしれない。


美紀の「呪い」で私達の記憶をいじくられているのなら、その可能性は十分にあった。