放送室の中の人が、どうして消去なんてできるのか……。「呪い」の元凶が、私の目の前にいるのに。


そもそも、何を消去するの!?









『浦西翔太、死亡を……』









「もうやめてよ!! 皆頑張ったのにひどいよ!! 消去だなんて!!」


校内放送をかき消すように、私は叫んだ。


そんな事をしても、何も変わらない事はわかってる。


私が聞かないようにしているだけで、放送室の中の人は、きっと消去とやらをしているのだろうから。










『伊勢高広……』










「やめて!! もう聞きたくない!!」


高広の名前が呼ばれて、その先を聞きたくなかった私は、耳をふさいで叫んだ。


「カラダ探し」が始まって、繰り返される「昨日」の中に囚われた私達が、唯一の希望としていた明日。


カラダをすべて集める事ができれば、11月9日から抜け出せると信じていたのに。


八代先生が終わらせた「カラダ探し」と、私達がやった「カラダ探し」は違うの?