「私が遥の頭をここに入れれば、『カラダ探し』が終わるんだ……頑張らなきゃ」


きっと皆頑張って、ここまで最後のカラダを運んでくれるに違いない。


昨夜、私と高広、理恵を一瞬で殺した「赤い人」からぬいぐるみを奪って。


それこそ死に物狂いで、「赤い人」から逃げるだろう。


その想いを、私が無にしてしまっては皆に合わせる顔がない。


そう思いながら、大職員室前にいるはずの留美子と理恵に目をやった。


ふたりが喧嘩でもしているのだろうか?


留美子の悲鳴にも近い叫び声が聞こえて、何かが弾けるような音が聞こえた。


その直後……。







「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」






という、ビリビリと私の身体を震わせる「赤い人」の咆哮。


その声が聞こえてしばらくしてからだった。


二階の廊下から、何かが落ちてきたのは。


この状況で上から落ちてくる物なんて、遥の頭くらいしか考えられない。


私は、落下するそれを受け止めようと、駆け出した。