「それを見たらさ、遥のカラダを置けるようになってたんだ。だから、そこに置いたんだよね」


カラダを置ける棺桶。


ふたりの話からじゃ、詳細を聞く事は難しそうだから、夜の「カラダ探し」の時に教えてもらう事にしよう。


そんな話を、今日は続けていた。


いつもの「昨日」と違う点は……この会話に、翔太が参加していないという事だけだったが、誰もそれには触れなかった。


その後の休み時間も、翔太は私達の会話の中にはいなかった。


いや、私達が避けたと言った方が正しいのだろう。


とにかく、あんな考え方を押し付けようとする翔太とは、話す気になれなかったから。


「で、どうするよ? 結局は、遥に『カラダ探し』を頼まれたら、夜にはまた学校に呼ばれるんだぜ?」


高広はそう言うものの、昨日、全員がバラバラに逃げたのに、遥はその全員の所に現れたのだ。


私には、どうすればいいかなんてわからない。


でも、あんな怖い思いをするのは嫌だった。


「んー……じゃあさ、殺しちゃえば?」


留美子が突然言ったその言葉に、私は耳を疑った。


「ちょっと留美子……殺すって……遥は友達なんだよ?」


思わず私は反論したけど、アレが本当に、私が知っている遥かどうかわからないという疑問が残っていた。