「翔太さぁ、あんた何か勘違いしてない? 『昨日』、高広は『右腕』を見つけたんだよ?」


「悪かったな、赤点ばかりの俺が、校長室の中で見つけちまってよ!!」


留美子と高広の言葉で、翔太は完全に反論できなくなってしまっていた。


「高広、『右腕』を見つけたって本当なの?」


その言葉を疑うわけじゃないけれど、あまりにもとうとつに言うから私は驚いていた。


「嘘じゃねぇよ? 校長室の机の中にあったんだよ。でもよ、それをどうすれば良いかわかんねぇだろ?」


そう言えば、私達はカラダを探してはいるけど、見つけた後、それをどうすればいいのだろう?


まさか、全部見つかるまで持ち歩くわけにもいかないし。


「高広が大声で、『誰かいるかー?』って叫んでるのが聞こえたから行ってみたら、腕を持ってるんだもん……気持ち悪かったよ」


自分でそう言いながら、身震いをする留美子。


だから、留美子は高広が『右腕』を見つけた事を知っていたのか。


「それでどうしたの? その『右腕』」


私がたずねると高広は、留美子と顔を見合わせて、苦笑した。


「玄関前のホールに、自販機があるだろ? その前くらいに、棺桶があったんだよ」