「『昨日』、ぬいぐるみを取ったって言ったよね? その後、私達が殺されるまでにどれくらい時間がかかったかわかる?」
「そう言えば、それは聞いてないな。でも、ぬいぐるみから頭を出すくらいの時間はあるだろ」
私の言葉に、いぶかしげな表情を浮かべながらも、どこか楽観的な翔太。
私も理恵も、その事を伝えていなかったのが悪いんだけど。
「最初に高広が殺されて……理恵と私がほとんど同時に殺されたの。一歩も動けなかったよ。気づいたら身体に『赤い人』の腕が刺さってた」
そう聞いた翔太と留美子の顔が引きつる。
それはつまり、一瞬で全員が殺されてしまうという可能性があるという事で、ぬいぐるみを棺桶に入れるくらいの時間はあっても、その中から頭を取り出す時間などないという事を意味していた。
「ど、どうしてもっと早く言わないんだよ! じゃあダメじゃないか……いや、可能性はあるのか?」
怒鳴ったと思ったら、ブツブツと呟き始める翔太。
「だって……この作戦を立てた後、すぐに八代先生の所に行ったじゃん……」
そんな私のボヤきも聞いていない様子で、翔太は長椅子に腰かけて考え込んだ。
「明日香、マジでそんなに早く殺されたの? それってヤバいじゃん。絶対無理だよね」
「そう言えば、それは聞いてないな。でも、ぬいぐるみから頭を出すくらいの時間はあるだろ」
私の言葉に、いぶかしげな表情を浮かべながらも、どこか楽観的な翔太。
私も理恵も、その事を伝えていなかったのが悪いんだけど。
「最初に高広が殺されて……理恵と私がほとんど同時に殺されたの。一歩も動けなかったよ。気づいたら身体に『赤い人』の腕が刺さってた」
そう聞いた翔太と留美子の顔が引きつる。
それはつまり、一瞬で全員が殺されてしまうという可能性があるという事で、ぬいぐるみを棺桶に入れるくらいの時間はあっても、その中から頭を取り出す時間などないという事を意味していた。
「ど、どうしてもっと早く言わないんだよ! じゃあダメじゃないか……いや、可能性はあるのか?」
怒鳴ったと思ったら、ブツブツと呟き始める翔太。
「だって……この作戦を立てた後、すぐに八代先生の所に行ったじゃん……」
そんな私のボヤきも聞いていない様子で、翔太は長椅子に腰かけて考え込んだ。
「明日香、マジでそんなに早く殺されたの? それってヤバいじゃん。絶対無理だよね」