頭を抱えて、苦しんでいるようにも見える。
声をかけた翔太をにらみつけながら、小さくうなずくけど、大丈夫そうには見えない。
きっと、健司の中では、山岡泰蔵と身体の取り合いが行われているのだろう。
少しでも気を抜けば、身体を乗っ取られる。
私にはわからないけど、必死に今の状態を保とうとしているのだと思う。
「負けるなよ。健司が泰蔵に負けたら、俺達は殺される。そうなったら、今日が無駄に終わってしまうんだからな」
励ましているのか、プレッシャーを与えているのか。
私なら間違いなく後者だと感じてしまう。
でも、翔太が言いたい事は良くわかる。
私達を殺そうとする者が、ひとりなのかふたりなのかでは、成功する確率が大きく異なるのだから。
「カラダ探し」を始めた時は、まさか「赤い人」に立ち向かう事になるなんて、想像もしていなかった。
ただ怖くて、逃げ回らなきゃならなかったのに、今日はそうじゃない。
ゆっくりと開かれる玄関のドアを見つめながら、私は不安に押しつぶされそうになっていた。
玄関のドアが完全に開かれた。
いつもの私達なら、自分が通れるだけ開けばすぐに入っていたけど、今日は違う。
ゆっくりでも良い。目的地が、目の前にあるのだから。
声をかけた翔太をにらみつけながら、小さくうなずくけど、大丈夫そうには見えない。
きっと、健司の中では、山岡泰蔵と身体の取り合いが行われているのだろう。
少しでも気を抜けば、身体を乗っ取られる。
私にはわからないけど、必死に今の状態を保とうとしているのだと思う。
「負けるなよ。健司が泰蔵に負けたら、俺達は殺される。そうなったら、今日が無駄に終わってしまうんだからな」
励ましているのか、プレッシャーを与えているのか。
私なら間違いなく後者だと感じてしまう。
でも、翔太が言いたい事は良くわかる。
私達を殺そうとする者が、ひとりなのかふたりなのかでは、成功する確率が大きく異なるのだから。
「カラダ探し」を始めた時は、まさか「赤い人」に立ち向かう事になるなんて、想像もしていなかった。
ただ怖くて、逃げ回らなきゃならなかったのに、今日はそうじゃない。
ゆっくりと開かれる玄関のドアを見つめながら、私は不安に押しつぶされそうになっていた。
玄関のドアが完全に開かれた。
いつもの私達なら、自分が通れるだけ開けばすぐに入っていたけど、今日は違う。
ゆっくりでも良い。目的地が、目の前にあるのだから。