「うーん」とうなり、ゆっくりと身体を起こそうとした私は、何かに邪魔されてなかなか起き上がれない事に気づいた。


「もうそんな時間なの? もうちょっと寝たい……って、え! マジで!?」


留美子も目を覚ましたようだけど、私は眠くてまだ目が開かない。


翔太も留美子も、一体何を驚いているのだろう?


「ちょっとちょっとぉ……もしかして明日香、ヤっちゃった?」


いきなり何を言い出してるの? 


ヤっちゃったって何?


まだまぶたが重くて、頭もボーッとしているのに、質問されても何も答えられない。


「あ……高広か。腕が邪魔……」


そこまで言って、留美子がどうしてそんな事を言ったのがわかった。


慌てて、身体に回された高広の腕から抜け出す私を、留美子はニヤニヤしながら見つめている。


「良いって。愛し合ってるなら自然な事じゃん。あ、でも妊娠しないように気をつけないとダメだよぉ?」


留美子に、ものすごく誤解されているようだけど……この誤解は解けないような気がした。


皆が起きて、私が弁解しようとしても誰も聞く耳を持たないといった様子で。