こんな時間から寝る事ができる高広がうらやましい。


気づかなければ、遥の恐怖がないから、寝るのが一番いいのだ。


「んー……大声出すなよ……」


ベッドの上で、何事もなかったかのように寝言みたいに呟く高広。


「大声って……私、怖かったのに。高広に抱きしめられたと思ったのに……」


別に抱きしめられたかったわけじゃないけど……高広に抱かれたと思ったから、それが遥だとわかってショックだった。


「あー……じゃあ来いよ……」


普段の高広なら、こんな事を言わないのに。


寝ぼけているという事は、明らかにわかっているけど……私は言われるままに、高広の隣で横になった。


きっと何も覚えていないだろうけど、私は高広の腕に包まれて目を閉じた。


遥の顔が頭から離れなかったけど……しばらくして、私も眠りに就いた。





風が吹いた……少し肌寒いと感じた私は、身体を抱いている何かに身を寄せていた。


「さあ、皆起きろよ! 今回で最後にする……うわっ!!」


手をパンパンと叩いて、呼びかけている翔太の声が聞こえる。


もう、「カラダ探し」の時間になったのだろうか。