緊張して損したと溜め息をつき、ベッドに腰かけた。


留美子も理恵も高広も、どうして私のベッドで寝るんだろ。


「少しくらい……いいよね?」


変な気分になったわけじゃない。


ただ、高広が気持ち良さそうに眠っているから、私もその隣で横になってみたくなって……。


高広に背中を付けるように身体を寄せた。


背中が暖かい……ブレザーを脱いだ高広の温もりが伝わって来て、安心する。


胸が苦しくなるような、いわゆる「良い雰囲気」ってやつも消えて、普通に落ち着ける。


でも、端から見たら、普通の光景じゃないんだろうな。


私自身、こんな大胆な行動を取るなんて思わなかったから。


少しおかしいのかな?


こんな経験をいっぱいしてるはずの留美子だったら、これでも物足りないって言うのかな?


そう思いながら、フフッと笑った時だった。


「うーん……」


と、高広がうなり、私の背中から、接触していた部分が離れた。


少し身体を寄せすぎたかな?


なんて思っていたら……。


「明日香……」


そう、高広が呟く声が聞こえて、私の背中を包み込むように身体に腕を回された。