この雰囲気が、私にはたまらなく苦しかった。


そんな雰囲気をごまかすために、私達は昔のアルバムを見ていた。


高広とは、保育園から一緒だったけど、家が近い事もあり、それ以前の写真もある。


ふたりでプールで遊んでいる物や、一緒にお昼寝をしている物、抱き合って笑っている物。


こうして見ると、ずっと高広と一緒にいたんだという事がわかる。


そして、保育園の写真。


そこにある集合写真の外側には、園児と保育士の名前が書いてあるけど……やっぱりそこには遥の名前はない。


「こいつが理恵で、こっちが明日香だろ? それでこれが俺だ。遥なんて影も形もねぇ」


「うん、そもそも遥の名字も知らないしね」


「次のページにも、その次のページにも遥はいねぇ。まあ、わかってた事だけどな」


私達がわかっていない事は、後は遥の事だけ。


でも、「カラダ探し」を終わらせても、それがわかるかどうかと言うと謎だ。


「これは小学校のキャンプの写真だな。俺と理恵が一緒の班だったか?」


その写真を見て、高広が、指を伸ばした時だった。