そして、私と高広は学校に残されて……これからどうしよう?


「皆がいねぇなら、学校にいても仕方ねぇだろ。俺達もどこかに行くか?」


「どこかって、どこに行くの?」


高広は突然、とんでもない提案をするから、今からどこに行くのか、少し不安ではあった。


「んー……どこって決めてねぇよなぁ。明日香が行きたい所に行くか、俺に合わせるか、どっちかだな」


私が行きたい所……急に言われても思いつかない。


女子だけなら行く所もあるんだけど、高広が一緒だと考えると、楽しくないって思われたらどうしようとか、途中で帰られたらどうしようとか考えてしまう。


……どうして私がそんな事を考えてるんだろ。


まだ高広とは付き合ってるわけじゃないから、そんな事を考える必要ないのに。


そんな事を考えていたら、なんだか恥ずかしくなって、顔が熱くなる。


「決まらねぇなら、俺が行きたい所に行くぞ。それでも良いのか?」


どこに行けば良いか、全然思いつかないから、その方が良いかもしれない。


「うん、任せるよ」


そう答えて、私は高広に続いて校舎に入った。