「ちょっと電話してみるね」


皆で遊びに行こうって言ってたのに。


そんな事を思いながら、携帯電話をポケットから取り出して、留美子に電話をかける。


コール音が７回、「はいはーい」と留美子が、明るい声で電話に出た。


「留美子、どうして私達に黙って行ったのよ！　一声かけてくれても良かったのに！」


『え？　ほら、ふたりがラブラブなのに邪魔しちゃ悪いじゃん？　だからさ』


予想通りの答えが帰ってきた。


まだそんな関係じゃないのに……周りからはそう見えるのかな？


「もういいよ。それより今からどこに行くの？　私達もそこに向かうから」


『内緒。あんた達はふたりで遊んでなさいって。じゃあね』


「あ、留美子！　ちょっと……」


そう言った時にはすでに通話を切られていて、どこに行ったかもわからない。


私はフウッと溜め息をつき、高広の顔をチラリと見た。


健司は家に帰り、３人はどこかに行った。


まさか授業を受けるために教室にいるわけでもないだろうし、留美子は遊びに行くって言ってたから、３人で遊びに行ったのだろう。