「そうだね。思えば、高広が助けてくれたから、カラダを運べた事もあったよね。高広のおかげだよ、ありがとうね」


工業棟のトイレでカラダを見つけた時も、旧校舎でカラダを見つけた時も、高広が守ってくれたから棺桶に納める事ができた。


「別に礼を言われる事じゃねぇよ。明日香なら俺が守ってやるよ。これからもずっとな……」


「えっ?」


この前、海でも告白されたけど。


「赤い人」に見つからないように隠れている時のようなドキドキとは違う。


なんだか、心が温かい。


私は……高広の事が好き。


「カラダ探し」で守ってくれていたから、好きなんだと思っていたけど、そうじゃない。


健司が理科室で振り返ってしまった時には怒っていたのに、私の前では常に冷静にリードしていてくれた。


小さい頃から高広が守ってくれていたのに……私はそんな高広の気持ちに、言われるまで気づいてもいなかった。


鈍感なのは、私の方だったのかもしれない。


高広は私の事を好きだと言ってくれた。


海で言われた時には、「カラダ探し」が終わったら答えを出すって言ったけど、本当は今すぐにでも答えは出せる。