でも、残る場所がそこしかないのなら、行くしかないのだ。
「あ、ちょっと気づいた事があるんだけど……いいか?」
口を開いたのは、健司だった。
山岡泰蔵に取り憑かれていた健司が、何を気づいたのか。
それが、私達に役立つ情報なのかが気になるところだった。
「気づいた事ってなんだ? 俺達が知らねぇ事か?」
今まで健司を交えて話をしていなかったのに、私達がどんな事を知っていて、どんな事を知らないなんて、健司にわかるはずがない。
高広もそれくらいはわかっているはずなのに。
いや、わかっていないのかな?
「それはわからないけど……『赤い人』にしがみつかれた時に気になった事があるんだ」
「赤い人」の事なら、翔太と八代先生が調べて、健司の話で事件の真相までわかったはず。
他に気づいた事なんてあるのだろうか?
「早く言えば? どうせ大した事じゃないんでしょ?」
もう話を聞くのも飽きた……そんな表情を浮かべて、気だるそうに留美子が言う。
「あ、あぁ……悪い、本当に大した話じゃないかもしれないけど……『赤い人』が持ってたぬいぐるみなんだけどさ」
留美子の言葉で気後れしたのか、健司がうつむいてしまった。
「あ、ちょっと気づいた事があるんだけど……いいか?」
口を開いたのは、健司だった。
山岡泰蔵に取り憑かれていた健司が、何を気づいたのか。
それが、私達に役立つ情報なのかが気になるところだった。
「気づいた事ってなんだ? 俺達が知らねぇ事か?」
今まで健司を交えて話をしていなかったのに、私達がどんな事を知っていて、どんな事を知らないなんて、健司にわかるはずがない。
高広もそれくらいはわかっているはずなのに。
いや、わかっていないのかな?
「それはわからないけど……『赤い人』にしがみつかれた時に気になった事があるんだ」
「赤い人」の事なら、翔太と八代先生が調べて、健司の話で事件の真相までわかったはず。
他に気づいた事なんてあるのだろうか?
「早く言えば? どうせ大した事じゃないんでしょ?」
もう話を聞くのも飽きた……そんな表情を浮かべて、気だるそうに留美子が言う。
「あ、あぁ……悪い、本当に大した話じゃないかもしれないけど……『赤い人』が持ってたぬいぐるみなんだけどさ」
留美子の言葉で気後れしたのか、健司がうつむいてしまった。