不安だけれど、健司の事も、とりあえずはなんとかなったかもしれない。


でも、健司が理恵を襲おうとした日と、その次の日、あれは山岡泰蔵が全部悪いとは思えないから。


その点は、まだ注意すべきだと思った。


「言っとくけど、私はまだあんたを信じたわけじゃないからね! 何度も殺されたのに、簡単に信用できるわけないじゃん!」


「まあ、そうだな。話はつながったけど、健司が襲ってこないって信じられるかどうかは別問題だ」


留美子と翔太は昨夜、健司に殺されている。


だから、そう簡単に信じる事ができないのだろう。


私だって、今「信じる」って言うのは簡単だけど、夜になるまではわからない。


健司が、健司だとわかるまでは信用できないと思っているから。


「それより、他に考える事があるんじゃねぇのか? 夜に健司が山岡泰蔵になったとしても、俺達がカラダを見つければ良いだけじゃねぇか。今までがそうだっただろ?」


やられる前にやる。


いかにも高広が考えそうな事だけど、それが一番難しい。


残るひとつのカラダ、遥の頭部がどこにあるかわからないのだから。


探している間に山岡泰蔵に襲われれば、まず殺されてしまう。