美子の恨みが「呪い」となって、この場所にかけられていると言われても、納得してしまいそう。


山岡泰蔵もまた、美子を守りたかったのだろう。


その想いが、血縁関係にある健司に、異変という形で現れたのかもしれない。


留美子から話を聞いた後、私達は高広達のいるところに戻った。


事件の事は、気分が悪くなったけど理解できたから。


問題なのは、遥の事と、残るカラダの隠し場所。


それと……「カラダ探し」の時に、健司は敵なのか味方なのかという事。


「つまり、高広に名前を呼ばれたから、山岡泰蔵を押しのけて、表に出る事ができたってわけだな?」


昨夜の話をしているのだろう。


なぜ、高広が殺されなかったかという話になっているようだ。


「あぁ。でも、その前に明日香が、『タイちゃん』って言った時があっただろ? あの時から、少しずつ変化はあった気がするんだ」


健司が言っているのは、私が「赤い人」と健司に挟まれた時の事だろう。


「それで、今日の夜は大丈夫なのかよ? また殺されましたじゃ、シャレになんねぇからよ」


「わからない。どうすれば抑えられるかわからないけど、頑張ってみるよ」