「それでも俺はまだ死ななかったんだ。女の子が横になっていて、誰かがそこに近付いて……」


そこまで聞いて、私は急に不安になり、これ以上聞いて良いものか……わからなくなった。


「それで……女の子はどうなった? 想像はできるけどな」


殺されてバラバラにされた……皆がわかっているのはそこまで。


でも、翔太の言葉に健司はうつむき、言いにくそうに視線を泳がせた。


少女が目の前でバラバラにされる光景を見たのならば、言いたくないのは良くわかる。


でも、健司が言った言葉は、私達の想像を超えたものだったのだ。


「女の子をレイプしたんだ。まだかろうじて生きている俺の目の前で。振り返ったその顔は見た事がある……俺の爺さんだった」


私は、頭を殴られたようなショックを受けた。


その時、山岡泰蔵は何を思っていたのだろう。


いや、それよりも自分の祖父が女の子に乱暴したと知った健司は、どう思っただろう。


「とんでもない話だな……でも、これでつながった。どうして美子がバラバラにされなきゃならなかったのか」


翔太は冷静に話を聞いていたようだけど、私はそれ以上考える事ができなかった。