わかってると言いつつも、なんだか納得できていない様子。


理恵も私の後ろから、コソッと顔をのぞかせている。


健司が何をしに学校に来たのかが気になるところだ。


教室は居心地が悪く、皆の心情を考えると、穏やかな話し合いにはならないと思い、私達は屋上に移動した。


と言っても、いつも屋上で話をしているのだけれども。


健司には言いたい事もききたい事もたくさんある。


ありすぎて、何からきけば良いかわからないといった様子で、皆頭を悩ませていた。


「一体何をきけば良いんだか。とりあえず健司、俺達はお前に何度も殺されたんだ。それはどう弁解するつもりだ?」


屋上の出入り口にある、少しの段差。


そこに腰を下ろしていた翔太が溜め息をついて健司にたずねた。


「それは……あの……」


言いにくいのか、それとも言えないのか、口ごもりながら私達を見回して、首を傾げて頭をかく健司。


山岡泰蔵に取り憑かれていたと言うなら、健司のせいではないと思えるけど、私だって完全に割り切れているわけじゃない。


高広ほど単純なわけじゃないから、健司の口から話を聞くまでは、割り切ろうとも思わない。