耳をつんざく大咆哮。
校舎全体を震わせるような、とてつもなく大きな「赤い人」の声に、思わず私は耳をふさいだ。
その次の瞬間、「赤い人」が理恵の背中から離れ、ぬいぐるみを奪った高広の背中に飛び移る。
そして……。
頭上に振り上げられた、「赤い人」の右腕が、高広の背中を貫いたのだ。
骨が砕ける音と、肉が潰された音が聞こえて……高広は、声ひとつ上げずに息絶えた。
歌の通り、その背中から赤が出る。
「な、なん……で?」
一体、何が起こってこうなったのか。
何もわからないまま、次に飛びかかられた理恵の、腹部を貫く赤い腕。
高広も理恵も、振り返ったわけじゃないのに、どうして「赤い人」はふたりを殺したのか……。
そう考えながら、いつの間にか、私の胸も貫いていた赤い腕を見つめた。
「赤い人」は左腕で理恵の身体を、右腕で私の身体を貫いていて……その表情からは、怒りの色が読み取れる。
私が死んだのは、その少し後だった。
校舎全体を震わせるような、とてつもなく大きな「赤い人」の声に、思わず私は耳をふさいだ。
その次の瞬間、「赤い人」が理恵の背中から離れ、ぬいぐるみを奪った高広の背中に飛び移る。
そして……。
頭上に振り上げられた、「赤い人」の右腕が、高広の背中を貫いたのだ。
骨が砕ける音と、肉が潰された音が聞こえて……高広は、声ひとつ上げずに息絶えた。
歌の通り、その背中から赤が出る。
「な、なん……で?」
一体、何が起こってこうなったのか。
何もわからないまま、次に飛びかかられた理恵の、腹部を貫く赤い腕。
高広も理恵も、振り返ったわけじゃないのに、どうして「赤い人」はふたりを殺したのか……。
そう考えながら、いつの間にか、私の胸も貫いていた赤い腕を見つめた。
「赤い人」は左腕で理恵の身体を、右腕で私の身体を貫いていて……その表情からは、怒りの色が読み取れる。
私が死んだのは、その少し後だった。