あまり行きたいと思わないけど……。
「じゃ、じゃあ……理恵は掃除用具入れを調べてよ。私は下足箱を調べるから」
「う、うん。ありがとうね、明日香」
怖がりの理恵だ、死体の間を縫って調べるのは嫌だろうから。
私だって嫌だけど、覚悟を決めて、血溜まりでヌルッと滑りやすくなっている床に足を踏み入れ、あまり動かないように下足箱を眺めた。
カラダらしき物はどこにもないけど、私の視界の下の方にある留美子の亡骸は痛々しく目に映る。
私も、頭部をつぶされた時はこんな感じなのだったのかと思うと、他人事とは思えない。
なるべく頭部を見ないように、手で隠しながら下足箱を全部調べ尽くした。
けれど……どこにもカラダはなく、ガックリと肩を落とす。
ハァ……っと、溜め息をついた私の耳に、掃除用具入れを開ける音が聞こえた。
そして、理恵の「あっ!」という短い驚きの声。
「明日香! あった、あったよ! 左腕!!」
そのうれしそうな理恵の声で、表情を見なくてもわかる。
足元がヌルヌルと滑る私は、ゆっくりと理恵の方を向いた。
その手には、遥の左腕がしっかりと抱きかかえられるようにして持たれていたのだ。
「じゃ、じゃあ……理恵は掃除用具入れを調べてよ。私は下足箱を調べるから」
「う、うん。ありがとうね、明日香」
怖がりの理恵だ、死体の間を縫って調べるのは嫌だろうから。
私だって嫌だけど、覚悟を決めて、血溜まりでヌルッと滑りやすくなっている床に足を踏み入れ、あまり動かないように下足箱を眺めた。
カラダらしき物はどこにもないけど、私の視界の下の方にある留美子の亡骸は痛々しく目に映る。
私も、頭部をつぶされた時はこんな感じなのだったのかと思うと、他人事とは思えない。
なるべく頭部を見ないように、手で隠しながら下足箱を全部調べ尽くした。
けれど……どこにもカラダはなく、ガックリと肩を落とす。
ハァ……っと、溜め息をついた私の耳に、掃除用具入れを開ける音が聞こえた。
そして、理恵の「あっ!」という短い驚きの声。
「明日香! あった、あったよ! 左腕!!」
そのうれしそうな理恵の声で、表情を見なくてもわかる。
足元がヌルヌルと滑る私は、ゆっくりと理恵の方を向いた。
その手には、遥の左腕がしっかりと抱きかかえられるようにして持たれていたのだ。