「ど、どうして? 皆、西棟で健司が動くのを待ってたんじゃないの?」
何がどうなって、ふたりが死んでいるのか、東棟にいた私にはわからない。
腰から下の力が抜けていく感覚に襲われながらも、私は必死に考えた。
生産棟の階段で、頭部をつぶされた留美子の亡骸を見た時は、高広がいてくれたから大丈夫だったけど、ひとりで見るこの光景はさすがに辛い。
ここにふたりがいるという事は、理恵はどこに行ったんだろう?
どう見てもふたり分の亡骸しかないし、生徒玄関に理恵の姿はない。
近くの柱にもたれかかり、激しく動く心臓を落ち着けるために深呼吸を何度か繰り返した。
皆死んでいるのなら、私だけでもやるしかない。
フウッ……と、深く長い息を吐き、一番東側から調べようと、震える脚でなんとか歩き始めた時。
玄関前のホールから、辺りを確認するように、こそっと顔をのぞかせている理恵と目が合ったのだ。
「明日香? やっぱり明日香だ……良かった」
涙を流しながら、私に駆け寄ってくる理恵の姿に、私も安堵した。
「理恵は無事だったんだね、良かったよ」
何がどうなって、ふたりが死んでいるのか、東棟にいた私にはわからない。
腰から下の力が抜けていく感覚に襲われながらも、私は必死に考えた。
生産棟の階段で、頭部をつぶされた留美子の亡骸を見た時は、高広がいてくれたから大丈夫だったけど、ひとりで見るこの光景はさすがに辛い。
ここにふたりがいるという事は、理恵はどこに行ったんだろう?
どう見てもふたり分の亡骸しかないし、生徒玄関に理恵の姿はない。
近くの柱にもたれかかり、激しく動く心臓を落ち着けるために深呼吸を何度か繰り返した。
皆死んでいるのなら、私だけでもやるしかない。
フウッ……と、深く長い息を吐き、一番東側から調べようと、震える脚でなんとか歩き始めた時。
玄関前のホールから、辺りを確認するように、こそっと顔をのぞかせている理恵と目が合ったのだ。
「明日香? やっぱり明日香だ……良かった」
涙を流しながら、私に駆け寄ってくる理恵の姿に、私も安堵した。
「理恵は無事だったんだね、良かったよ」