高広の片手には携帯電話が握られている。
「赤い人」を遠くにやるために、いつか工業棟でやったアレをするつもりなのだろう。
大職員室に通じる廊下に差しかかった時、高広は携帯電話のボタンを押して、それを生産棟の方に滑らせるように放り投げた。
携帯電話から発せられているアラーム音が、渡り廊下の奥へと移動する。
「大職員室に行くぞ」
小声で呟いた高広の言う通りに廊下を曲がり、大職員室へと走った。
すると……。
「キャハハハハハハッ!」
という笑い声が、ドアを開ける音と共に、背後から聞こえた。
大職員室のドアを開けて、その中に身を滑り込ませる高広。
「赤い人」が、この廊下を通過するまでに、ドアを閉めなければ、気づかれてしまうかもしれない。
急いで部屋に入り、ドアを閉めたと同時に、廊下から聞こえていた笑い声が止まった。
もしかして……気づかれてしまったのだろうか。
言い様のない不安が私を襲う。
身体中から、汗がふき出しているかのような不快感に包まれて、私は息を飲んだ。
「赤い人」を遠くにやるために、いつか工業棟でやったアレをするつもりなのだろう。
大職員室に通じる廊下に差しかかった時、高広は携帯電話のボタンを押して、それを生産棟の方に滑らせるように放り投げた。
携帯電話から発せられているアラーム音が、渡り廊下の奥へと移動する。
「大職員室に行くぞ」
小声で呟いた高広の言う通りに廊下を曲がり、大職員室へと走った。
すると……。
「キャハハハハハハッ!」
という笑い声が、ドアを開ける音と共に、背後から聞こえた。
大職員室のドアを開けて、その中に身を滑り込ませる高広。
「赤い人」が、この廊下を通過するまでに、ドアを閉めなければ、気づかれてしまうかもしれない。
急いで部屋に入り、ドアを閉めたと同時に、廊下から聞こえていた笑い声が止まった。
もしかして……気づかれてしまったのだろうか。
言い様のない不安が私を襲う。
身体中から、汗がふき出しているかのような不快感に包まれて、私は息を飲んだ。