「ねえ、明日香……私のカラダを探して」


髪もスカートも乱れていない……。まるで、天井が床であるかのように、そこに立っていたのだ。


まばたきをするとその姿は消えていて、私は力なく湯船の中に崩れ落ちた。


遥が「カラダ探し」を頼みに来て、再び湯船に浸かった私は放心状態。


その後、お風呂から上がって部屋に戻ると、ベッドの横で怯えている理恵を見つけた。


留美子は寝ていて気づかなかったのだろう。


スースーと寝息を立てている。


「理恵、私もうお風呂に入れないかも……」


そう呟き、時計を見るとまだ19時半。


それなのに、留美子がさっき言っていたように疲れが取れなくて眠い。


不安になると、私は眠くなってくるから、そのせいもあるのかもしれない。


「あ、明日香……怖かったよ……」


泣きながら私を見つめる理恵も、相当怖い目にあったのだろう。


でも、私にはその話を聞いてあげられるだけの余裕がない。


ベッドで、気持ち良さそうに眠っている留美子を見て、今すぐにでも眠りたいと思った。