「失礼します!」


昼休みになってすぐに、私達は旧校舎の職員室のドアを開けた。


八代先生が出てこないなら、こちらから行って、無理にでも話をきこうという翔太の提案で。


室内には田村先生と八代先生がいて、今から食事をとろうと、お弁当の蓋を開けた所だった。


「うん? キミ達は農業科の生徒じゃないね、ここに何か用があるのかな?」


八代先生が、ギョロッとした目で私達を見てたずねる。


「八代先生に話があります。『呪い』に『小野山美子』、美紀に山岡泰造。ここまで言えば、わかってくれますよね?」


翔太の言葉に、少し驚いた様子で私達を見回す八代先生。


「わかったよ、廊下に出ようか。話はそれからだ」


そう言い、席を立って、私達を押し出すように廊下に出た八代先生。


階段の前まで歩いて、再び翔太が口を開いた。


「単刀直入に言います。『カラダ探し』を頼みに来る人物は誰なんですか? 先生の時には、誰が頼みに来ていたんですか?」


「ずいぶんあいまいな質問だね。でも、その答えは僕にもわからない。ただ、うちの生徒だという事はわかるんだけどね」