翔太が言うように、先生ならその答えを知っているかもしれない。


でも、それをきくために旧校舎に来た私達の前に、八代先生が現れる事はなかった。


「もしかして、『昨日』が少し変わったから、八代先生が職員室から出てこなくなったのか?」


三限目の休み時間もう終わる。


授業が始まってしまうと、職員室に入る事もできない。


他の先生に怒られて、追い返されてしまうだろうから。


「そうかもね。先生が出てこないなら意味ないじゃん。どうすんの?」


待ちくたびれたといった様子で、大きなあくびをして翔太を見る留美子。


このまま四限目も待っていたとしても、先生が出てくるという保証はない。


「そうだな。俺が待ってるから、皆は戻ればいい。四限目に出てくるとも限らないだろ?」


「戻るってどこに? 教室はなんか違和感がすごいし、あんまりいたくないんだよね」


さっきから、翔太と留美子だけで話をしているけど、高広や理恵は何を考えているのだろう?


高広はずっと目を閉じているし、理恵は話しているふたりの顔を交互に見ているだけ。


「皆で待てばいいんじゃない? どうせやる事もないから」