遥が何者なのか、知る事ができるかもしれないけど、私の知っている世界が壊れてしまいそうで。


それを知る事が怖かった。


その後、私達は二限目まで授業を受けて、職員室から八代先生が出てくるまで、旧校舎の近くで時間をつぶしていた。


「八代先生の時は、『カラダ探し』の事を教えてくれる人なんていなかったわけでしょ? それでも、八代先生は普通に生活してるんだから、『カラダ探し』を終わらせればいいんじゃないの?」


遥の事なんてどうでもいいから。


留美子の言葉には、そんな意味が含まれているように思えてならなかった。


「遥の事を考えてるより、『カラダ探し』を早く終わらせようって言いたいのか? 俺だってそう思うけど、普通の生活に戻った時に、誰かもわからないやつと一緒に学校生活を送る事ができるか?」


「そうだけどさ……誰だかわからないやつのカラダを探すのも嫌じゃない? 私達、なんでこんな事させられてんの?」


そんな話をしながら、八代先生が出てくる時間。


私達は旧校舎の玄関で八代先生を待っていた。


「今日、先生にきく事はひとつ。『カラダ探し』を頼んでいるやつは誰なのか。先生の時も頼みに来たやつがいたはずだ」