「きっと、『昨日』を作り変えて、遥が遥として生きるための準備をしているんじゃないか? だってさ、今日までは、誰も遥の事を気に留めてなかったんだろ?」


翔太が色んな可能性を考えてくれているけど、大切な事を忘れている気がする。


「カラダ探し」をさせているのは、遥じゃなくて美子だという事を。


「昨日」が少しずつ変化しているのは、私達が住んでいた世界とは別の世界になってしまったとか、タイムトリップを繰り返すうちに、その影響がこの世界に出始めているとか……可能性をあげればあげるほど、翔太の話は、私では理解できないような難しい話になっていく。


結局は、すべて翔太の想像でしかなくて、どの話も美子との関連性がなさそうだった。


「俺には、お前の言ってる事がまったく理解できねぇよ」


なかば諦めたようにボリボリと頭をかいて、空を見上げる高広。


「あー、私も無理。宇宙人まではわかったけどさ。それだって想像なんでしょ?」


「想像しかないだろ……本当の事がわかってるなら、最初から言ってるよ」


留美子も、言っている翔太でさえもわかっていない。


私達は謎解きをしているわけじゃないけど、八代先生は「カラダ探し」は美子の「呪い」だと言っていたから、それと遥を切り離す事はできないと思う。