「そうだよ、何もしてないのに遥がかわいそうだよ。いきなり怒鳴るなんて」


なんなのだろうか……今までとは違う教室の雰囲気に、私は驚きを隠せなかった。


そして……。


「後……2つ」


遥がそう言ったのを、私は聞き逃さなかった。









「なんなのよあいつら! いきなり遥の味方して! ふざけんなっての!」


クラスメイトの批難の声から逃げるようにして、私達は屋上に来ていた。


留美子は、その怒りをどこにぶつければいいかわからないといった様子で、柵に八つ当たりをしている。


「まったく……どうなってるんだ? 何が何だかわからないぞ」


「何か変だよね、今まで誰も、遥に話しかけようともしなかったのに。『昨日』が少し変わって、皆が変わっちゃったのかな?」


翔太も理恵も、不安そうに皆を見回している。


「それにしたって変わりすぎだろ。少しなんてレベルじゃねぇぞ、これ」


高広の言う通り、まるで世界そのものが変わってしまったみたいで、私達がここにいる事がおかしいような錯覚をしてしまう。