私の力では、血で滑るそれをどうする事もできない。


「赤い人」の血は、乾かないのだろうか。








「し~ろい ふ~くもあかくする~」









体育館の階段でしがみつかれた時と同じだ。


もう、こうなってしまったら、私に残された道はない。










「まっかにまっかにそめあげて~」









気になるのは、遠くに見える高広と翔太。


さっきよりも高い、もうすぐ屋上という位置にいる。







「お顔もお手てもまっかっか~」






高広ならともかく、翔太がどうしてあんな所まで上れているのか。


いや、違う。


翔太はただ綱にしがみついているだけ。


それなのに、どうして三階の高さにいるのだろう。




「髪の毛も足もまっかっか~」




綱の先……屋上を見た私は、その答えを知った。


「あ、あれは、健司?」