高広から、ターゲットを私に変更したようだ。
背後から迫る「赤い人」の声に、脚が震える。
まだ走る事くらいはできるそうだけど、私はきっと綱を上れない。
それなら、ふたりが綱を上るまでの時間稼ぎをしよう。
高広が屋上に戻る事さえできれば、理恵と留美子を合わせた3人で、翔太を引き上げる事ができるかもしれない。
でも、高広のあの疲れ方を見ると、それを期待するのは酷だ。
それでも私は、それを信じて走るしかなかった。
旧校舎には向かっているけど、その玄関には入らず、南側のグラウンドに向かう。
相変わらず「赤い人」が追いかけてきていて、その笑い声も徐々に私に近づいていた。
グラウンドに入った時、私の制服に「赤い人」の手が触れた。
少しだけ、後ろに引かれるような感覚に、私は振り返らずにそれを手で払いのける。
「いやっ!」
パンッという音と共に、制服から「赤い人」の手が離れた。
でも、それはただのその場しのぎで、もう真後ろまで「赤い人」が来ているのだ。
身体にしがみつかれるのは、時間の問題だった。
グラウンドに入ったものの、まっすぐ行ってもすぐに追いつかれる。
背後から迫る「赤い人」の声に、脚が震える。
まだ走る事くらいはできるそうだけど、私はきっと綱を上れない。
それなら、ふたりが綱を上るまでの時間稼ぎをしよう。
高広が屋上に戻る事さえできれば、理恵と留美子を合わせた3人で、翔太を引き上げる事ができるかもしれない。
でも、高広のあの疲れ方を見ると、それを期待するのは酷だ。
それでも私は、それを信じて走るしかなかった。
旧校舎には向かっているけど、その玄関には入らず、南側のグラウンドに向かう。
相変わらず「赤い人」が追いかけてきていて、その笑い声も徐々に私に近づいていた。
グラウンドに入った時、私の制服に「赤い人」の手が触れた。
少しだけ、後ろに引かれるような感覚に、私は振り返らずにそれを手で払いのける。
「いやっ!」
パンッという音と共に、制服から「赤い人」の手が離れた。
でも、それはただのその場しのぎで、もう真後ろまで「赤い人」が来ているのだ。
身体にしがみつかれるのは、時間の問題だった。
グラウンドに入ったものの、まっすぐ行ってもすぐに追いつかれる。