八代先生も、学生時代に「カラダ探し」をさせられて、その時には放送室に入る事ができなかったと言っていた。


それを聞いたのは翔太のはず。


なのに、そこにカラダが隠されていたら、私達は「昨日」から抜け出せないかもしれない。


「じゃあ、最後の教室を調べようよ。ここになかったら、もう旧校舎に用はないんだよね?」


「用はないけど、調べる場所もなくなるんだぜ? 打つ手無しってやつだな」


できれば、打つ手が無くなるのは勘弁してほしいけど。


最後の部屋を調べなければ何もわからない。


カラダがありますようにと祈りながら、私と翔太は最後の部屋へと向かった。


でも……結局、最後の部屋にもカラダはなかったのだ。






旧校舎をすべて調べ終わった私達は、この気味の悪い空気から逃れるために、玄関から外に出ていた。


結果は最悪。


温室で見つけた右脚以外は見つからず、放送室に仮にひとつあるとしても、もうひとつはどこにあるのか。


楽観視すれば、放送室に2つあるとも考えられるけれど、それならば高広が言うように、放送室の中にカラダを全部隠した方が見つける事ができない。


私が「させている側」なら、絶対にそうする。


じゃあ、どうして見つけられるようにしているのか。


それはわからないけど、もう一度校舎を見直してみる必要があった。