カラダ探し

翔太の言葉に、私はうなずいた。


でも、この部屋に隠れる所なんて……どこにあるの?


デスクにロッカー、後は小さな給湯室があるくらいのこの部屋。


あまり考えている時間はない。


私は、目の前の椅子を引いて、デスクの下に潜り込んだ。


椅子を戻して、これでやり過ごせる事に期待して。


ロッカーを閉める音が聞こえた。


翔太か高広のどちらかが、そこに隠れたのだろう。


そして、わずかな沈黙の後、それはこの部屋に入ってきた。









「お顔もお手てもまっかっか~髪の毛も足もまっかっか~」












部屋に入って来た「赤い人」の声が、その場から動いていない。


この部屋の中を見回しているのだろうか。










「どうしてどうしてあかくする~」










しばらくして、動き出す「赤い人」。


キィィィという、油の切れた、キャスターが動く音が聞こえた。


椅子が引かれたんだ……。


「赤い人」は、デスクの下を調べている。