でも、中庭側の柵は皆、調べたくないというような表情で、お互いに顔を見合わせていた。
放送室の中の人に見られたら……そう考えたら、調べる事が怖いのだ。
「ったく、見つからないように調べればいいだけだろ?俺が調べる」
そう言った高広が、身を低くして柵を調べ始めた。
私達はその姿をずっと見ていたけど……見えない壁がある事は、ここからでもわかってしまった。
「ダメだった、こっち側も、西棟の出入り口も壁で囲まれてるな」
かがんだ体勢のまま、柵を調べ終わった高広が、私達の方に戻ってきた。
となると……西棟の屋上から降りるしか、もう方法は残されていない。
「ちょっと、冗談でしょ? それってもしかして、西棟の屋上まで、また綱を運ぶって事!?」
「冗談でこんな事が言えるかよ。嘘だって言うなら、調べてみろよ!」
「ふたりとも、静かにしようよ。そこに放送室があるんだよ?」
声を上げる留美子と高広を止めたのは理恵。
放送室の方を指差して、その指を口に当てた。
「でも、実際問題どうする? まだ校内放送も流れてないし、『赤い人』も健司も、どこにいるかわからないぞ」
ドアの横に腰を下ろしていた翔太が言うなら、まだ校内放送は流れていないのだろう。
放送室の中の人に見られたら……そう考えたら、調べる事が怖いのだ。
「ったく、見つからないように調べればいいだけだろ?俺が調べる」
そう言った高広が、身を低くして柵を調べ始めた。
私達はその姿をずっと見ていたけど……見えない壁がある事は、ここからでもわかってしまった。
「ダメだった、こっち側も、西棟の出入り口も壁で囲まれてるな」
かがんだ体勢のまま、柵を調べ終わった高広が、私達の方に戻ってきた。
となると……西棟の屋上から降りるしか、もう方法は残されていない。
「ちょっと、冗談でしょ? それってもしかして、西棟の屋上まで、また綱を運ぶって事!?」
「冗談でこんな事が言えるかよ。嘘だって言うなら、調べてみろよ!」
「ふたりとも、静かにしようよ。そこに放送室があるんだよ?」
声を上げる留美子と高広を止めたのは理恵。
放送室の方を指差して、その指を口に当てた。
「でも、実際問題どうする? まだ校内放送も流れてないし、『赤い人』も健司も、どこにいるかわからないぞ」
ドアの横に腰を下ろしていた翔太が言うなら、まだ校内放送は流れていないのだろう。



