ここからが本番なのだ。
屋上でわずかな休憩を取った後、私達は地面に降りる場所を探していた。
この場所に出る事ができるのはわかっていたけど、放送室の中の人や、「赤い人」に見つからないようにするために調べなかったから。
放送室からは見えない、南側の柵を調べていた私達は、少しあせっていた。
「ダメ、体育館側は見えない壁がある。これじゃあ降りられないよ」
柵の内側にある見えない壁を、なぞるように歩いた理恵が呟いた。
「じゃあ……中庭の方はどうなんだ?」
呼吸を整えて話せるようになった翔太だけど、それでもまだ座ったまま私達を見ている。
「中庭から外に出られたっけ? 私、中庭に行った事なんてないんだけど」
そう言えば、私も中庭には行った事がない。
留美子の疑問もわからなくはなかった。
「図書室の一階部分はピロティになってるだろ、そこから出る事ができる。まあ、そこに壁がなければ……の話だけど」
翔太はそう言うけれど、中庭から降りるという事はつまり、放送室のブラインドが開いていたら、中の人に見られてしまうという事だ。
屋上でわずかな休憩を取った後、私達は地面に降りる場所を探していた。
この場所に出る事ができるのはわかっていたけど、放送室の中の人や、「赤い人」に見つからないようにするために調べなかったから。
放送室からは見えない、南側の柵を調べていた私達は、少しあせっていた。
「ダメ、体育館側は見えない壁がある。これじゃあ降りられないよ」
柵の内側にある見えない壁を、なぞるように歩いた理恵が呟いた。
「じゃあ……中庭の方はどうなんだ?」
呼吸を整えて話せるようになった翔太だけど、それでもまだ座ったまま私達を見ている。
「中庭から外に出られたっけ? 私、中庭に行った事なんてないんだけど」
そう言えば、私も中庭には行った事がない。
留美子の疑問もわからなくはなかった。
「図書室の一階部分はピロティになってるだろ、そこから出る事ができる。まあ、そこに壁がなければ……の話だけど」
翔太はそう言うけれど、中庭から降りるという事はつまり、放送室のブラインドが開いていたら、中の人に見られてしまうという事だ。



