カラダ探し

重いってわかってて持ったんじゃないの?


少しガッカリしながらも、私達は綱を一緒に持ち上げた。


高広が肩に綱を抱え、その後ろで私達が綱を支えて移動するという方法で、東棟の三階に向かった。


体育館からだと、廊下に出てすぐにあるトイレの隣。


そこにある階段を上がれば、私と高広が今日最初にいた場所へとたどりつける。


でも、綱を運びながら階段を上るのはかなりきつい。


使い込まれた綱は、湿気を含んでいるからか、それともまとまっていないせいか、相当重く感じる。


それに、運んでいる私達の息もバラバラで、高広ひとりに負担がかかっているように思えた。


なんとか図書室の上の屋上に運ぶ事はできたけど、私達はそれだけで疲れて、人工芝の上に腰を下ろしていた。


「お前ら……もっと力入れて運べよな……」


呼吸も荒く、高広が私達を見回して呟く。


きっと、綱の半分以上の重量が、高広の肩にかかっていたに違いない。


「だってさ……ぐにゃぐにゃしてるんだもん……持ちにくいし」


「高広、ごめんね……私、あまり役に立ってなかった」


留美子も理恵も、言葉に性格が出ている。


翔太なんかは、声も出せないといった様子で、ヒューヒューという音が聞こえるような呼吸だ。


でも、これで終わりじゃない。