カラダ探し

「ハッ! それなら、カラダが8つ全部旧校舎に隠されてるって方が、まだ説得力があるぜ!」


「俺に文句を言うなよ! 俺が隠してるわけじゃないんだ!」


こんな時に言い合いを始める高広と翔太。


「カラダ探し」を始めた最初の頃のように、留美子がまたふたりの喧嘩をあおるんじゃないかと心配になり、止めようと口を開こうとした時だった。


「はいはい。ここまで来て喧嘩して、あんた達何がしたいの? 翔太は考え過ぎ! 高広は馬鹿なんだから考えても無駄! 旧校舎を調べるのが先でしょ!」


その留美子が、ふたりの喧嘩の仲裁に入ったのだ。


高広に対しては、喧嘩を売っているとも取られかねない言い方だけど。


「うるせぇな! バカなのはわかってんだよ!」


やっぱり怒ったけど、本気で怒っているわけじゃないという事はわかる。


留美子も、「カラダ探し」を始める前と今とでは、かなり変わったと思う。


「自分が良ければそれで良い」といった感じだったのに、今は人の事を考えて動けるようになっていた。


とりあえず私達は、旧校舎に向かうためにまず何をするべきかを話し合う事にした。


西棟の屋上、図書室の上にある屋上のどちらから降りるかを考えると、安全なのは図書室の上。